トピック
2019-04-01 13:50:00
昭和6年 十勝北部に建立された歴史ある神社の大鳥居。長きにわたり雨や風雪にさらされ、凍害によるスケーリングが全体に及んでいました。大鳥居の表面補修と炭素繊維シート貼付けによる補強工事を実施しました。
補修前
補修に先立ち足場を組立て、発生ガラや材料の飛散防止のためシートで養生します。
劣化の状況
凍害によって表面が激しくスケーリングしています。凍害は表層から徐々に劣化が進行するため、表面はとても脆くなっています。手で擦るだけで骨材がパラパラと落ちる状態です。
断面修復状況
脆い層を残したまま補修しても十分な効果が得られないため、脆弱部をできるだけ撤去しポリマーセメントモルタルで断面修復を施工します。
炭素繊維シートによる構造物補強
専用のプライマーを塗布した後、下地処理を行い接着剤を含浸させながら炭素繊維シートを張り付けていきます。炭素繊維は航空機やロケットなどにも利用され、建築や度目の分野でも補強に用いられる軽く強靭な素材です。炭素繊維シートを張り付けることで、せん断力や曲げ耐力が増加し地震などへの耐力が向上します。
補強完了
樹脂材の硬化後にトップコート材を塗布し断面修復と炭素繊維シート補強工の施工完了となります。
足場を撤去した後、ご奉納され現在に至っています。